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事例紹介詳細

KB’S WEB Vol.59 2026

特集

地域で美容に真摯に向き合う、その積み重ねがお客さまの信頼に繋がる

北日本で3つの地域のサロンオーナーを取材して感じたのは、お客さまの要望を満たすだけでなく、対話を大切にし、その方のライフスタイルに寄り添い、より良い提案をしていること。日々のお客さまを想う積み重ねが、お客さまに届き信頼を得ています。
同時に、オーナー自身の美容師人生の目標や夢を着実に叶え、自分のペースを大切にできる働き方であること。地域で愛されるサロンの在り方は地域の暮らしの理解と働き方、それらが重なり合い、確かな歩みを進めています。

 

 

 

 

お客さまと長く、しっかり関わりたいという想いが伝わり
地域で愛され続けるサロン

 

Lula by hair &Spa 代表:砂子未来さん

 

札幌の中心部から少し離れた白石区は公園や緑地など、豊かな自然環境と生活利便性が共存するバランスの良いエリア。住居を兼ねた建物の1階が店舗になっており、通りからもひときわ目を引くとても素敵な佇まいのサロン「Lula by hair &Spa」は創業6年目。店名の Lulaはフィンランド語で「人を思いやる」と言う意味があり、代表の砂子未来さんの「お客さまと長くしっかり関わりたい」という想いが込められています。

 

砂子さんは「Lula by hair &Spa」を開業するまでは横浜のサロンでトップスタイリストとして15年以上働いていました。開業のきっかけを伺うと、「もともとは自分のサロンを持ちたいとは考えてなかったのですが、子育てと仕事の両立を考え始めた時に仕事のペースは変えたくないと思ったことや、親の体調も気になってきたのもあって、地元に戻って自分のサロンを持っても良いかなと思ったのがきっかけですね。ちょうどコロナ禍もあってオンラインで学べる環境も整ってきたので、関東にこだわらなくても良いと思えましたし、地元に戻るのであれば地元に貢献したいと思う気持ちもありました」

 

砂子さんは日頃から忙しい女性がリラックスできる癒しの空間を目指し、お子様と一緒も大歓迎、札幌の中心部に行かなくても中心部以上のクオリティを提供したいという思いがあります。その思いはお客さまにも届いており、サロンにお越しになるお客さまはお子様やお母様と3世代ご家族で通っていらっしゃる方も多いそうです。
また、お客さまの髪質を良くすることをベースに考え、髪質改善をしながらスタイルやデザインをご提案する事でお客さまの満足度も高く、口コミでご紹介のお客さまが絶えないそうです。「髪質が変わったとお客さまも良く言ってくださいます。髪質が良くなるとライフスタイルも向上するというか、まだまだ髪質改善への意識が高いエリアではないので、それをまず実感していただけるようにするのが使命かなと思っています」

 

スタッフは砂子さんともう1名の女性、やはり子育てとの両立をしながらサロンワークをしています。働き方を伺うと、「実は横浜時代より働いているかもしれません、でも仕事のモチベーションが高くいられるというか、一軒家のサロンなのでもっとこうしたらお客さまに喜んでいただけるかなとか、ヘッドスパだけでもいらしていただける事も多いので、リラクゼーションとしてもご利用頂きたいと思っていますし、経営も考えますから時間があるとなんか仕事をしている感じです。でも心の余裕はあります。地元に戻って、土地柄も自然に囲まれてゆったりとした感じもありますし、お客さまも優しい方が多いですし、北海道の良さを実感できています」

 

お客さまとの対話を重ねながら、一人ひとりに最適な施術を提案していることもあり、リピートのお客さまが多く集客には困らないそうです。地元へ戻り、これまで歩んできたキャリアを活かし地域から愛され続ける一軒家サロンの魅力が溢れていました。

 

 

Lula by hair &Spa
札幌市白石区本通11丁目北1-28
TEL:011-835-2734
https://beauty.hotpepper.jp/slnH000537187/

 

 

 

 

 

お客さまにも、スタッフにも、心地良い場所へ
“一生通えるサロン”が体現するトータルビューティの形

 

Hair Atelier Nico 代表取締役 新田 容子さん

 

“一生通えるサロン”というコンセプトのもと、仙台市中心部に店舗を構える「Hair Atelier Nico」。美容室を軸にアイラッシュやネイル、さらには撮影スタジオまでを擁するトータルビューティサロンです。サロンを牽引しながら、今も現役スタイリストとして腕を振るうのが、代表取締役の新田容子さん。

 

転機は、前店舗が10年の節目を迎えたときでした。急な階段に足をとめるご年配のお客さまや、お子様連れのお客さまが狭い階段に苦労する姿を目にし、「これは変えなければ」と決意したといいます。「コンセプトは“一生通えるサロン”なのに、一生通えないじゃないかって思ってしまって」と新田さんは振り返ります。バリアフリー対応はもちろん、広々としたキッズスペースや人目が気にならないプライベートな個室も備えた現店舗には、そのひとつひとつに積み重ねてきた想いが宿っています。

 

移転とともに始動したのが、地元のデザイン事務所と手を組んで運営するフォトスタジオです。20年以上にわたって美容業界のクリエイティブコンテストに挑み続けてきた新田さんは、衣装も自らミシンで仕立て、七五三や成人式などの記念撮影に独自のアート性を吹き込んだそのスタイルで口コミを呼び、今や予約が絶えない人気を誇ります。サービスの幅をさらに広げたのは、スタッフの声でした。それぞれの「やってみたい」という想いに応えるかたちでトータルビューティサロンへと進化し、ヘアとネイルの同時施術など、忙しいお客さまの時間を丸ごと受け止める体制が整っていきました。

 

「スタッフのやる気は、そのままお客さまとの時間に滲み出る」と新田さんは言います。自身の夢をある程度叶えてきた今、その眼差しはスタッフひとりひとりの「やりたい」を実現することへと向いています。来年2月5日には2店舗目のオープンを控え、アパレルバイヤーを志すスタッフとともにアパレル事業の立ち上げも進めています。「スタッフが楽しく働ける環境が、結果的にお客さまにとって心地よいサロンをつくる」。その確信を胸に、新田さんの挑戦はこれからも続きます。

 

Hair Atelier Nico
宮城県仙台市青葉区一番町2-3-33 第八藤栄サンモール一番町ビル3F
TEL:022-797-4155
https://301-sendai.com/

 

 

 

広告に頼らず客足を絶やさない理由は
“アパレル経験”が育んだサロンづくりにあり

CREEP 十色 代表 光本美則さん・AYUMIさん

 

「特撮の神様」と称される円谷英二監督の故郷として知られる福島県須賀川市。中心部の松明(たいまつ)通りには、ウルトラヒーローやウルトラ怪獣たちのモニュメントが点在しています。そのメインストリートから一本入った裏路地に、ご夫婦だけのプライベートサロン「CREEP 十色」があります。1階が店舗、2階が住居という建物は、目的がなければ通り過ぎてしまいそうな控えめな佇まいですが、ここを目指して遠方からもお客さまが訪れるそうです。

 

代表の光本美則さんとAYUMIさんに話を伺うと、その秘密は、光本さんが一度美容の世界を離れた経験にありました。「美容師になったあと、日本最大級セレクトショップJOB314スタッフになる夢も諦めきれなくて、4年ほどアパレル業界で働いたんです。そこで学んだ接客や、お客さまとの距離感、お店の雰囲気づくりが私たちのCREEP 十色にも生きています」
象徴的なのが、季節ごとに行われるインテリアの衣替え。洋服の衣替えをするように、お店も装いを変える。新鮮さを失わないことが、何度も店を訪ねる喜びにつながっています。

 

アパレル時代の経験は、サロン経営にも生かされています。「広告費をかけて新規のお客さまを集めるくらいなら、今来てくださっているお客さまに還元したい」と光本さん。目指すのは、既存のお客さまの満足度を高めること。メニューを細分化するのではなく、あえてシンプルに設計し、お客さまとの対話を重ねながら、一人ひとりに最適な施術を提案しています。
技術料金を値引きするのではなく、店販商品に使えるチケットを用意し、施術後のホームケアまで見据えた提案を行うことも、そのひとつ。こうした取り組みが信頼を育み、口コミが新たなお客さまを呼び、特定ブランドの店販商品で東北エリアTOP10に入るなど、確かな成果を生み出しています。

 

美容の世界を離れ、もうひとつの夢だったショップ店員として過ごした約4年間。それは決して遠回りではなく、「CREEP 十色」という一軒のサロンを形づくる土台になっていました。技術や薬剤だけではない、個性が光るサロンの価値をつくるヒントは、これまで歩んできた経験の中にも眠っているのかもしれません。

 

CREEP 十色
福島県須賀川市池上町143
TEL:0428-76-5107
https://atelier-creep.com/

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